漢方薬:メーカーによって異なるエキス剤の仕様

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漢方薬は基本的に自然のものから作られた生薬を混ぜ合わせて加工して作ったものなので、同じ漢方名であれば生薬のレシピは一緒だけど、量が違うとか、保存料が違うとか、そういった部分に差がある程度かな・・・と思っていたのですが、まさかこんな問題があるなんて・・・というお話です。

エキス剤とは

エキス剤とは、漢方薬は多くの場合生薬を煮出した飲み物であるのですが、それをフリーズドライにして顆粒状にしたものがエキス剤と呼ばれています。フリーズドライ状態だと開封すると湿気でくっついてしまったりするので、ある程度湿気に強くなるようにコーティングのようなものが施されます。その仕様は各メーカーによって異なります。漢方薬は年齢によって容量を減らす際、大人で1包、子供で1/3包など、封を切って量を減らすため、何のコーティングもされていないと湿気ですぐに悪くなってしまう可能性があります。そのため、顆粒が湿気に強くなるように少し硬めに作っているメーカーやそれよりもお湯に溶けやすくなっているメーカーと分かれてきます。

エキス剤のおすすめの飲み方と弊害

漢方薬の名前の最後に「◯◯湯」と書いてある場合、前述の煮出した飲み物として飲むとより効果的とする場合が多いです。漢方で代表的な「葛根湯」も最後は「湯」なのでエキス剤顆粒をお湯に溶かしてフーフーしながら体を温めながら飲むのが理想です。しかし、メーカーによって、湿気に強くお湯に溶けにくいためこの飲み方ができません。まさかそんな差があるとはと思ってしまいました。

各メーカーはそこまでお湯に溶かして飲むことを想定して作っているとは思えません。いつからか誰かが本来そうではないか?と言い出して他の人たちも乗じて言い出したことなのかもしれません。でも確かに、葛根湯などは体を温めるための漢方薬であったりするので、冷水でサッと飲むよりはお湯に溶かして飲んだほうがより体が温まる気もします。実際私は朝の漢方薬はコーヒーがわりにお湯に溶かして飲んでいます。コーヒーより苦いのでなんだか体がシャキッと起きる感じがします。(個人の感想です)

余談

漢方薬は食前・食間というルールも実はあまり関係ないそうです。というのも、胃が空の方が吸収が良さそうという説明から納得していたのですが、ある研究では食前だろうが食後だろうが、胃腸の吸収には差がなかったという結果が出ています。漢方薬の古い教科書(医古典)にはある一部の漢方薬には食前に飲むようにと指定があるものの、その他多くの漢方薬にはその指示がなかったそうで。。。つまり、誰かがその一文だけを拾って全ての漢方薬に指示してしまったと。そうゆう可能性が高いようです。そもそも、漢方薬には牡蠣とか石灰とか、鉱物も入っているのでそれを空腹の胃にブッ込めば胃がゴロゴロするのは想像ができます。というか、下痢しましたわ。胃腸が強い私でも負けるので、食前に飲むと胃腸がゴロゴロして調子悪いなという人は食後でも全然いいと思います。

漢方薬は秘伝のものとか、政治が変わったからと資料が燃やされたり、正確に伝わっていないものが多いのが実態です。しかし、数千年前から使われて残っているということは効果があると考えて差し支えないものだと思っています。ただ、エキス剤もそうですが、数千年前とは形を変えて残っているも多いので、そこまで厳密に考えずに、食前でも食後でも、常温水でもお湯で溶かしてでも、好きに忘れないように摂取するで良いと思います。

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