前回の覚書では様々な足のむくみに潜むリスクを考えましたが、今回は年齢差、性別差を考慮してリスクヘッジをしていきます。
また、ここでは鍼灸院や整体院に来院される患者層を意識したものになっています。
随時追記していきます。
初回2020/11/02
足のむくみの分類
前述の通り、ここでは、鍼灸院や整体院に来院される足のむくみを意識していきますので、細かいむくみを無視して以下のように分類します。
むくみの原因
運動不足によるむくみ:ふくらはぎの筋ポンプ作用が悪くなっている
食事による:塩分やお酒の飲み過ぎなどで体内の水分量が過度になっている
病気由来のむくみ:他の病気が原因になっている
水っぽいむくみ:押すと跡が残るようなむくみ。水分代謝が悪くなっていて運動不足・食事によるところが大きい。
内圧のむくみ:脂肪や筋肉、その他がリンパ節を圧迫しむくみが出ている。
女性
女性は筋肉量が男性と比べて少なく、下半身の血流を上半身に戻す力が弱いです。そのため、足のむくみを感じやすく、また、実際に目に見えるぐらいのむくみがあると容姿美的にも問題として捉えることがあります。
運動不足や食事によるむくみが多く、心臓病などからくる病気を起因としたむくみは男性に比べて少ない印象です。もちろん、その可能性がある人もいますから、完全に頭から切り捨てるべきではありません。
20代〜40代
多くの場合、運動不足によるむくみの可能性が高いです。社会人として忙しく、もしくは育児により習慣的な運動習慣を得ることが難しく、足のだるさとむくみを訴えることが多くなります。ストレッチや運動の指導をして自ら改善に向けて努力される方も多いですが、できれば楽に気持ちよく解決したいという方も多くいらっしゃいます。
この際、注意したいことは、静脈瘤に繋がる可能性があるかというところです。静脈瘤は膝下の静脈が太く存在感を示し、ひどくなるとボコっと隆起してきます。命に直結するようなものではありませんが、勝手に治るものではなく、容姿美的に問題にする人もいます。歳をとってもスカートをきれいに履きたいという願望があるのであれば、若いうちから静脈瘤にならないように対策が必要ですから、習慣的な運動などを促す動機にしてもらえるといいでしょう。
50代〜
この年代では、病気のリスクも視野に入れてよく観察する必要があります。
また、更年期により足の重だるさが強くなる人がいます。
静脈瘤がひどくなってきている場合があります。場合によっては、破裂させる可能性もありますから、強く押すことができなくなってきます。
肥満による関節の圧迫はむくみをひどくさせます。脂肪を多く蓄えていて足首が見えないぐらいのむくみがあるとそのむくみを取り除くのはとても難しいでしょう。しかし、施術をすることで足の軽さは自覚していただけます。
ヒップアップやウエストを細く見せるためのコルセットを常用するのはあまりお勧めできません。きついウエスト部分のゴムを支えられるような筋肉がなくなっているので内臓や血管を圧迫させてむくみの原因にする人がいます。
スポーツ用などの着圧の靴下はお勧めできます。着圧靴下はそれだけで動きやすくなりますから、運動意欲が湧くようです。
男性
男性は筋肉量が多いですから、足のむくみは発生しにくいです。それでも足の重だるさとしてむくみを訴えてくる方は多いのは、関節の硬さから、ふくらはぎの筋肉の動きが出にくい体と思われます。
20代〜40代
太り気味の人に多い印象です。もし、痩せ型なのにむくみや足の怠さがひどい場合は、内臓の病気を考える必要があります。
学生時代、よく運動をされていたり筋肉質だった男性が社会人になって運動を全くしなくなり、かつ、食事量が減らないと、内圧がかかるようなむくみ方になって足の重だるさを強く訴えるようになります。多くの場合、強めのストレッチで解消していきますが、自分ではなかなか習慣化してもらえないので、根気強く指導していく必要があります。
50代〜
筋肉量が徐々に落ちていくため、内圧がかかるような硬いむくみ方は少なくなってきます。どちらかというと食事やお酒からくる水っぽいむくみが増えてくる印象です。
病気によるむくみを考える必要が出てきます。心臓の病気や腎臓の病気は男性に多いですから、そのような症状が併発していないかよく観察が必要です。
子供のむくみ
乳児の時のむくみは基本、気にする必要はないです。ハイハイができるようになってくれば運動量が増えて治っていきます。
注意する点は、左右差がある時です。この場合、股関節付近で何らかの狭窄がある可能性があります。医師に診てもらいましょう。
小学生以上の子供は運動量に応じてむくみの出やすさは変わってきます。筋肉量に性別差はほとんどありません。勉強をするときの姿勢は確認する必要があります。腹筋と腸腰筋の緊張は運動意欲を下げてむくむ可能性を高めます。
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