円形脱毛症に対する施灸

Takasaku
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10円玉ハゲと揶揄される部分的な脱毛症です。
髪の毛は女性の命とも言われますし、もちろん、日本人男性にとっても「薄い」とか「後退」というワードは精神的にグサッとくるようです。
円形脱毛症と男性の生え際の後退は原因が違います。そこも考慮して問診に応じる必要があります。
*鍼灸師向けのコンテンツとなります。

円形脱毛症の一般的な知識

円形脱毛症は一般的には過度なストレスによる体の不調の一つ、生活習慣の悪化による睡眠不足や食生活の乱れだと考えられています。特効薬などはなく、精神的なストレスを減らすことで徐々に回復してきます。
患部は髪の毛をめくると10円玉程度の大きさの円形で脱毛しています。
円形脱毛症に気づいた時点では、毛が生えておらずツルツルとした皮膚を感じる場合が多いようです。この状態から、施術が進んでいくと産毛が生えてくるようになり、髪の毛の成長とともに少しづつ太く黒くなっていきます。

そもそも男性の薄毛とどう違うのでしょうか。男性が歳を重ねるごとに薄毛になっていく(AGA:男性型脱毛症)のは男性ホルモンに脱毛をするようプログラムされているからです。男性ホルモン量が多い人は薄毛になりやすいと考えていいと思います。お国が違えば、薄毛の男性の方がモテる国があります。薄毛の人ほど男性ホルモンが強く男性的と捉えているのでしょう。

男性ホルモンの原因のほかに「過度なストレス」「生活習慣の悪化」が挙げられます。男性ホルモンを除く原因と考えられているものは円形脱毛症と同じ原因です。ではもう一歩進んで考えた時、どんな違いがあるのでしょうか。

東洋医学的な観点

円形脱毛症とAGA:男性型脱毛症の違いについて、東洋医学で逆説的に考えてみます。
円形脱毛症では、施灸をすることで産毛が生えてきて徐々に毛量も復活してきます。しかし、AGA:男性型脱毛症の場合、いくら施灸をしても毛は生えてきません。

ここで、施灸による効果を考えてみましょう。
施灸、特に点灸では、施灸した直下では白血球数の増加が確認されたという報告が多くあります。円形脱毛症は白血球数が増加することで患部の免疫が上がり毛が生え始めたと考えることができます。

最近の西洋医学の研究では、円形脱毛症はストレスを起点として免疫力が下がり、毛根部分に細菌なり異物の攻撃を受け毛根がダメになったことで脱毛が起きたと考えるようになってきています。そうなると、円形脱毛症に施灸が効果があるということに説得力が増してきます。

施灸の方法・種類

ツルツルの状態では、できれば点灸の方がより効果が得られると思われます。モグサは米粒大で、少し刺激が入ることになりますが、一部の報告ではもぐさの量が少ないと白血球数の増加の効果が薄れるというものがあります。自信を持ってしっかりと施灸をしましょう。
ある程度産毛が生えてきたら、点灸では難しくなってきます。棒灸などを併用してもいいと思います。
問題は、施灸すること自体が本人がストレスと感じた場合です。点灸は多少のチクッとした痛みを感じる場合もありますから、それがストレスの場合は最初から棒灸にしたり、台座灸を利用して刺激を緩和することも一つです。
施灸はあくまでも局所的な免疫力の増加です。体全身の免疫力を上げることも考える必要があります。体が凝り固まっていて頭痛や肩こりなどがあるのであれば、その施術もしてあげるといいでしょう。

ストーリーから見えること

ストーリーの中のちかちゃんは精神的なストレスよりも職場の空気の改善をすることで免疫力の回復をすることができました。辛いのを好むというのは腎が弱っているということです。腎は髪の毛との関係が深いですから、体はどうにか回復させようと目一杯努力してくれていたのかもしれません。
また、髪の毛は女性の命です。円形脱毛症が髪の毛にあるのを周りの人に見られるのは精神的にきついと思われます。それが鍼灸院に来ていても同じですから、周りの人に聞こえるような大きな声での施術では心が休まりません。そうゆうところにも配慮ができるといいですよね。
鍼灸師といっても、円形脱毛症を拝見する機会はそうあるわけではありません。しかし、円形脱毛症の施術自体は難しいものではありませんし、多くの先輩方が効果を報告しているものです。自信を持って施術をしてください。

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コメント

  1. […] 円形脱毛症の施灸 […]

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