気持ち悪い症状というのは悪心や嘔吐と表現されることもあります。とてもつらい症状です。
気持ちが悪い時の原因はいろんな可能性があります。これらは、一部でしかありません。仮に当てはまっても自己判断をせず、専門家に相談することもご検討ください。
今回は、鍼灸院などで取り扱う可能性があることを前提に注意書きなどを作成しています。その点ご留意ください。
気持ち悪いの多様な言葉
気持ち悪いとはいろんな症状で使われます。
嘔吐を伴う気持ち悪さなのか、車酔いのような気持ち悪さなのか、何か変なものが触るような気持ち悪さなのか。
実際、私が鍼灸院で聞く気持ち悪さのなかには肩こりを気持ち悪いといって来る人もいました。気持ち悪いという言葉を使うとき、多様な意味をもたせていることを理解し、原因を絞っていく必要があります。
警告症状がある気持ち悪さ
警告症状とは、重篤な病気の可能性があるということです。この場合、早急に医師の診断が必要になってきます。
気持ち悪さとともに大量の吐血、数日内に頭の外傷経歴がある、体が反るような頸部のこわばり、精神状態の変化、右下腹部痛、振動による腹痛、強い胸の痛み。どの症状も気持ち悪さよりも目立つ痛みや症状かもしれませんが、気持ち悪さを伴うとより症状は重い可能性があることを把握しておきましょう。
中でも注意が必要なのは、数日ないに頭の外傷経歴がある点ですが、つまりは、脳震盪による後遺症です。こちらは、頭を打った直後はうずくまってもしばらくして痛みは収まると放おってしまう場合があります。痛みが収まってからも72時間程度は安静にして気持ち悪さがでてきたら緊急で病院に知らせる必要があります。鍼灸院には運動部の学生を面倒みることが多いとおもいますので、学生には注意喚起が必要です。
女性で妊娠の可能性があるとき
妊娠の悪阻(つわり)で気持ち悪さがでることがあります。妊娠に気付かない時期におこるのが悪阻なので、適齢期の女性の気持ち悪さの際は、生理周期や可能性の確認が必要になります。
妊娠中期から後期では、通常悪阻はありません。それなのに気持ち悪さが続く場合、妊娠による急性脂肪肝など別の病気が関わっている可能性もあります。悪阻が長く続く場合は楽観視せず、病気の可能性を産婦人科医に相談する必要があります。
嘔吐を伴う気持ち悪さ
気持ち悪さと嘔吐が併発していると胃腸の状態が悪くなっている可能性があります。身近なものは食中毒です。食中毒であれば、発熱や下痢などが併発します。24時間程度さかのぼって、それまでに一緒に食事をした人に同じような症状がないかを確認してもらいましょう。もし、一緒に食事をした人の中に共通の症状が出た人がいれば、水分補給の準備と家族への感染を避けるためタオルの併用を禁止してもらい、家族が汚物処理に協力する場合は感染対策をしっかりとする必要があります。
冬季にはノロウイルスが流行します。ノロウイルスの場合、医者が診断するために検査に出しても2〜3日検査時間を要するため、その間は家族で様子を見ることになります。家族がノロウイルスに感染しないように十分な対策が必要です。
あまりないと思いますが、鍼灸院に嘔吐と下痢症状の方が来院し、お手洗いを利用した場合、他の患者さんが利用する前に念の為消毒を施すべきでしょう。
ノロウィルスの消毒には家庭用の塩素系漂白剤で代用できます。塩素系漂白剤をそのまま吹きかけると少し強いので、0.1%程度まで薄めて便器などを消毒します。ドアノブなど感染者が触ったかもしれない場所には0.02%程度まで薄めたものでも可能です。
何より、自分が感染しないように気をつけましょう。
嘔吐を伴う場合は胃腸障害を考えるわけですが、吐瀉物の様子である程度原因を突き止めることが可能です。
慢性的に気持ち悪さがある場合
慢性的な気持ち悪さは西洋医学的に診断を確立するのが難しい場合があります。医師に薬をもらっているが効果が出ている感じがしない、そのまま1〜2ヶ月程度気持ち悪さが続いている。もしくは緩慢しながらも気持ち悪さが続いている場合、鍼灸や漢方で改善する余地が出てきます。
東洋医学的に気持ち悪さを鑑別しようとするときは、気持ち悪いという訴え以外にもさまざまな情報を聞き取りながら、触りながら、原因を探っていく必要があります。その際に注意すべきなのは、先にも記載しましたが、気持ちが悪いという表現には多様な意味があるということです。
お腹が、胸が、頭が、精神的に、さまざまな気持ち悪さがあります。
しっかりとお話を聞いて気持ち悪さの原因を探ってあげてください。
今回は、気持ちが悪いと訴える患者様が来院したときにまず確認すべきことでした。
緊急度は高くないか、感染が疑われないか、まずはしっかりと最初の段階で判断できるようになりましょう。
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